潜熱とは?高気密・高断熱住宅は潜熱を考える必要があります。

潜熱とは?高気密・高断熱住宅は潜熱を考える必要があります。【 潜熱とは?高気密・高断熱住宅は潜熱を考える必要があります。 】

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潜熱とは?

さっそくですが、やかんに水を入れて温めるとやがて水は沸騰して熱湯にもなりますが、蒸発して水蒸気になります。

水(液体)を沸騰させることで水蒸気(気体)へ変わり、その時に使われた熱エネルギーを「潜熱(せんねつ)」と言います。

これは水(液体)を水蒸気(気体)にするために使われた熱(エネルギー)ということになりますので、空気中にある水蒸気=湿気は熱を持っていることになります。

そして実際に水(液体)を沸騰させてお湯(液体)にするために使われる熱エネルギーを「顕熱(けんねつ)」といいます。

また、この潜熱と顕熱を合わせて「全熱(ぜんねつ)=エンタルピー」と言います。

したがって、潜熱とは難しく表現すると「物質が変化するときに必要とされる熱エネルギーの総量」となり、住宅内の空気中にある湿気にも熱があることが分かります。

では、もっとこの「潜熱」について掘り下げていきましょう!

潜熱の効果が分かり易い例

潜熱を知るうえで一番分かり易いのが、「体温調節」と「打ち水」です。

人間の体は夏の暑い時、汗をかいて体温調節をしており、汗をかくことによって気化熱(蒸発)の効果で体温を下げて調節しております。

またお風呂に入った後、子供に「湯冷めするから早く体をふきなさい!」と言うのは、濡れた体のままでいると水分が蒸発して体温を吸熱して下げてしまうからであって、決して早く着替えさせたいからではありません!

そして「打ち水」も同様に暑い夏に玄関前などに水を撒くことによって周囲の熱を吸熱して蒸発するので、涼しく感じられる効果が得られるということです。

この「打ち水」による効果は住宅の中でも同様で、この気化熱を使って室内温度を涼しい環境に変えたりすることが出来る「潜熱」をもっと知り、対策することが重要なのです。

ちなみに打ち水に関する詳細をまとめた記事もありますので、気になる方はこちらの記事をご覧下さい ⇒ 打ち水とは?効果と行う時間帯を知り、涼をとりましょう!

潜熱と住宅の関係

住宅内の温熱環境を良くするには、温度(顕熱)だけではなく、空気中に含まれる湿気が持つ熱(潜熱)をうまくコントロールすることが重要です。

空気中の温度が同じ30℃でも、湿度が50%前後の部屋と湿度が90%にもなる部屋では、湿度の低い部屋はカラッと涼しさを感じますし、湿度が高い部屋はジメジメしたまとわりつく暑さを感じます。

この違いから、空気中に含まれている水蒸気(湿気)が熱(潜熱)を抱えているということが分かります。

したがって、住宅の中でも室温以外に部屋の中の湿度を快適な環境に保つことによって、エアコンなどの冷房機器がなくても湿度(潜熱)を取り除いてあげるだけで涼しく過ごすことが出来るということなのです。

その方法を私流で提案している記事がありますので、興味のある方はこちらからご覧下さい!

夏、住宅で涼しく過ごす方法と4っのポイント 「②湿度を下げる」

逆に冬も快適な湿度を維持することで空気中に含まれる潜熱のおかげで無理に暖房しなくても暖かく感じられることもあるので、四季を通じて住宅の空気中の潜熱をうまく活用することはとても省エネであり、重要であるということが分かります!

潜熱をうまく活用した住宅

以上のことから空気中含まれる湿気は、熱を抱えていることが分かりました。

この熱をうまく活用するためには、「温熱環境を考え、住宅内の湿度をコントロール」する「調湿」が重要となります。

そして「調湿」によって快適な温熱環境を作る上で重要なのが、「気密」・「換気」です!

住宅内が快適な湿度である50〜60%前後にして潜熱をうまく活用するには、住宅の気密性能が良くないといけません。

理由としては、住宅の隙間や換気などにより、外の影響(夏は多湿、冬は乾燥)を受けないようすることがポイントだからです。

※換気に関する詳細はこちら → 全熱交換器を使って、住宅を省エネ化!

したがって、気密性能を良くして、換気部材で外の影響(夏は多湿、冬は乾燥)を受けにくくして、うまく調湿(コントロール)することが空気中に含まれる湿気が持つ熱(潜熱)を有効利用する第1歩ではないでしょうか!?

以上のことから夏に除湿機を使って、湿気(潜熱)を奪うことで涼しさを得ることも出来ますので、その方法を知りたい方はこちらの関連記事をご覧ください。

◆関連記事: 夏、住宅で涼しく過ごす方法と4っのポイント

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