パッシブとは?パッシブ住宅で重要なのは換気と太陽熱!

パッシブとは?パッシブ住宅で重要なのは換気と太陽熱!【 パッシブとは?パッシブ住宅で重要なのは換気と太陽熱! 】

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パッシブとは?

最近、よく目にするようになった「パッシブ住宅」や「パッシブ換気」などの「パッシブ( passive)」とはいったいどういう意味でしょうか?

英単語的にお伝えすると「受身、受動的な、受動態、従順な、不活性な、言いなり、活動的ではない」などを意味しております。

では、「パッシブハウス(住宅)とはどういう意味でしょう?

「パッシブハウス(住宅)」とは、建物の性能もさることながら、高性能の熱交換式換気扇による換気設備だけで、積極的に冷暖房器が設置しないという意味合いから「パッシブ( passive:受身の)と名付けれらた住宅。

一般的には、「暖房器具の無い住宅」や「自然な空気を取り入れた換気を行う住宅」と思われがちだが、冷暖房が必要な住宅は日本に存在しないと私は思いますし、もちろん「無暖房(無冷房)な住宅」という意味でもないです。

ただし、西ヨーロッパなどで普及した「パッシブハウス」は省エネ性、断熱性、気密性が世界トップレベルの住宅であり、日本では季節によって気候が違うため、日本に適したパッシブハウスの建築が必要となります。

では、日本版パッシブハウスに重要なこととはなんでしょう?

私なりの考えですが、ご参考頂けると幸いです!

パッシブハウス(住宅)重要ポイント① 太陽熱(放射熱)

パッシブハウスにとって、最も重要で必要不可欠なのが、「太陽の放射熱(以後、日射とも表現)」です!

パッシブハウスはこの太陽熱(放射熱)を最大限に生かした住宅であり、太陽熱(放射熱)が暖房と言っても過言ではありません。

太陽高度は夏と冬で違い、この特性を生かして夏は日射を遮り、冬は日射を取り入れるようにすることで冬の日射熱を暖房に活用する必要があります。

ここがパッシブハウスの重要なポイントであり、太陽熱(日射熱)はパッシブハウスにとって、暖房器と同じ役割をしているということです。

そのため南面に設置された掃き出し窓などから取り入れた太陽熱(放射熱)を有効利用するため東・西・北に断熱性能に優れたトリプルガラスのサッシを設置して、ほかの部分から逃げる熱量を少なくすることが重要です!

具体的な例を挙げますと、掃き出し窓のサイズが1.65×2.0=3.3㎡(平方メートル)で窓の性能を2.0w/m・k、日射取得率:60%の場合で例を挙げます。

太陽熱(放射熱)は屋根の庇(ひさし)の有無によって与える影響は変わるが、室内温度:20℃、室外温度:0℃の時の内外温度差は20℃。

窓の性能が2.0w/m・kなので、「2.0w/m・k × 内外温度差:20℃ = 40w/㎡」となり、40w/㎡分の熱が外へ逃げてしまいます。

次に太陽熱(放射熱)が300wあった時、窓の日射取得率が60%なので、「太陽熱:300w/㎡ × 日射取得率:60% = 180w/㎡」分の熱を太陽熱(放射熱)から取り入れることが出来ます。

以上、上記の場合の計算方法では、熱収支が「取り入れた熱:180 - 逃げた熱:40)w/㎡ × 窓の面積:3.3㎡ = 462w」の熱を取得することが出来ます。

このような計算を全ての窓で行うことで太陽熱(放射熱)から得られる熱収支が分かります。

簡単に計算しただけですが、結構な熱量になりますし、450wもあればちょっとした暖房機並みの熱量になりますので、あとは補足として太陽熱(放射熱)で取り入れた熱をうまく「蓄熱」させることが出来ればより良いですね!

そして現在ではまだまだ性能的に課題は多いですが、現在、北海道ではほぼ100%となっている樹脂サッシ・複層ガラス(Low-E仕様)の断熱性能がより良くなればなるほど、パッシブハウスは現実的になるのではないでしょうか!?

ですが、私個人的には太陽熱(放射熱)だけに頼ってしまうのは少し不安というか天気が悪いなどのことも考えるとやはり壁掛けエアコンを各階に1台ずつくらい設置する必要性はあるのではないかと思います。

※ちなみに私はパッシブハウスには断熱・気密・調湿・蓄熱を十分に考える必要があると思います!

パッシブハウス(住宅)重要ポイント② 換気

パッシブハウスで重要な要素して、住宅内の通気経路を考え、外から自然の風を取り入れて換気を行うのが、「パッシブ換気」と言われております。

またの名を「第4種換気」と言われたりもします。

※第1種〜第3種までの詳細はこちらから ⇒ 住宅の24時間換気と3種類の換気方法を徹底解説!

パッシブ換気は自然の風と活用するため、特に地域性や住宅の方位などが重要であり、これらは太陽熱(放射熱)を活用する時も大変重要な要素です。

もちろん外の風だけを考える訳ではなく、外の風以外に重要になるのが、「窓の設置位置」です。

窓(開口部)を対角線上に配置することによって、空気が流れやすくなり、1階(下)から2階(上)・北面から南面へ通風させるのがとても理想的な配置のため、吹き抜けなども採用することがポイントです!

ちなみに窓の大きさも関係しますので、入り口(窓:開口部)の大きさが大きく、出口が小さいとうまく風は流れませんし、その逆も同じです。

うまく通風されるためには、「窓の設置位置・大きさ・空気の流れ」を十分考えて行うのが重要であり、この通風を考え、シュミレーションするのがもっとも大変なことだと私は思います。

パッシブハウス(住宅)重要ポイント まとめ!

以上、パッシブハウスにとって必要な太陽熱(放射熱)と自然の風がどちらも共通するのが、「窓」ですね!

窓の大きさや設置する方位によって、太陽熱(放射熱)を活用した熱収支が変わってきますし、外から取り入れた風がうまく室内を通り、外へ出ている経路が決まります。

その他に取り入れた熱を逃がさないようにするためには、住宅の断熱性能・気密性能のほかに、窓の断熱性能、蓄熱対策などが重要になり、記事冒頭にあるように外の風をうまく活用したとしても建築基準法には、シックハウス法で義務付けられた24時間換気を行わなければいけないため、換気から逃げる熱も考慮しなければいけません。

以上のことからパッシブハウスは簡単に建築出来る住宅ではないということが分かると思います!

ただし、いつか私が家を建てる時が来たら・・・少し挑戦してみたい気もします・・・。

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