数年前から問題視されている大気汚染問題c。
中国の深刻な大気汚染問題から波及して日本の「PM2.5」濃度が上昇し、健康に悪影響を与える可能性があることで九州や関西地域でマスクが手放せない方も多いと思います。
実際、「PM2.5」とはなんなのでしょう?
この記事では、「PM2.5」と住宅に関わる記事を書いていきます!
PM2.5とは?
PM2.5とは、「粒径が2.5㎛(マイクロメートル)以下」の微粒子物質で、PM(ピーエム)は「Particulate Matter(粒子状物質)」の頭文字からそれぞれを合わせてPM2.5としております。
発生源はボイラーや焼却炉、車などの排気ガスなどが挙げられますが、PM2.5でいえばタバコの煙なども該当します。
溶剤・塗料や石油施設からの蒸発などから排出される揮発性有機化合物という物質が、化学反応を起こしてPM2.5となる場合もあります。
PM2.5の大きさはよく髪の毛と比較されたりますが、髪の毛の直径は小さいもので約70㎛ほどでPM2.5はその40分の1くらいの大きさのため、ます目では見えません。(笑)
人体に与える影響は、粒子が小さいため呼吸から肺の奥深くまで入り込み、ぜんそくや気管支炎などの呼吸器系や循環器系の疾患など、肺に関する病気にかかる可能性が数%程高くなることが分かっているようです。
では実際、PM2.5と住宅とのかかわりはどのくらいあるのでしょうか?
PM2.5と住宅の関係
実際、住宅内に居てPM2.5が気になる人とそうでない人がいるかと思いますが、気になる人は気になります。
PM2.5が室内に入り込んでくる可能性があるとすれば、まず第1に挙げらるのは「換気」。
室外の空気を室内の空気を入れ替えるために換気が行われますので、外のPM2.5は換気機器を通って室内に入り込んできます。
というよりは、以前に書いた記事を読んで頂ければ分かりますが、この国で使われている換気設備のほとんどが「第3種換気」を採用しており、第3種換気とは換気機器で室内の空気を強制的に排出して、室内などに設置された自然換気口から差圧を利用して換気します。
機械換気について、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧下さい。
その他に高気密住宅は少ないですが、引き違いサッシなど多少の隙間はありますので、第3種換気で強制的に室内の空気を排出され、「負圧状態」ではこういった小さな隙間からも室外の空気を室内に取り込みます。
このように「換気」だけではなく、その換気の方法によって住宅にある小さな「隙間」からもPM2.5は住宅内に入り込んできます。
ここでPM2.5がどうしても気になる人のために「換気」と「隙間」からのPM2.5対策を検証していきます!
換気に対するPM2.5対策
換気に対するPM2.5対策は、結果から申し上げますと・・・
「換気機器を止める」ことでしか対策出来ません。
数年前にPM2.5の問題がニュースなどで取り上げられた時にある大手ハウスメーカーの「快〇エ〇リー」という第1種換気でPM2.5対策を謳った換気システムを打ち出しました。
この快〇エ〇リーで行うPM2.5対策とは、3層からなる高性能フィルターで小さな微粒子も取り除くというシステムですが、一般的に使われている換気設備用のフィルターは「ろ過式フィルター」と呼ばれます。
この「ろ過式フィルター」とは、目の細かい不織布などで作られており、この「目」の大きさや細かさ次第では、PM2.5は素通りする可能性があります。
PM2.5とは、2.5㎛以下の微粒子なので、0.3㎛の微粒子もPM2.5に該当します。
したがって、小さな微粒子ほど取り切れない場合もありますし、何より「ろ過式フィルター」は清掃などのメンテナンスが出来ない種類(都度、新品交換)もありますので、金額はピンからキリだと思いますが、メンテナンス費用がかかることを覚悟していなければいけません。
以上の理由からどんなに性能の良いフィルターであっても、そのフィルターの種類が「ろ過式フィルター」ではメンテナンス費用にお金がかかりますし、実際、PM2.5を取り除きたい場合は、どこまで小さい粒子が取り除けるのかちゃんと確認しましょう。
私が知っている㈱トルネックスという会社が住宅用に開発した商品は、0.3㎛の粒子も95%以上取り除ける性能を持っております。
※㈱トルネックスの詳細はこちら → ㈱トルネックス製外気清浄機
このようにPM2.5対策を行うならば、「ろ過式フィルター」などの中途半端な対策は個人的にあまりオススメ出来ません。
隙間に対するPM2.5対策
この見出しを作ったことを後悔したくなるほどですが、正直な話、隙間に対するPM2.5対策はありません。
勝手に入ってきてしまうので、住宅の隙間が一切ない住宅を作らなければいけないことになりますが、これはとても難しい問題です。
ただし、私の勝手な考えですが、換気方法を第2種換気にすることで住宅内が正圧状態となり、小さな隙間から室外へ押し出すことが出来るかも・・・知れません。
しかし、第2種換気は私も勉強不足な部分もありますので、鵜呑みにしないで下さい!
PM2.5対策まとめ
以上、これまでの結果から住宅において間違った対策も正しい対策もないのかも知れません。
ただし、対策を行い方に問題がある場合はありますので、これからPM2.5対策を盛り込んだ住宅の建築や購入を検討されている方は、ちゃんと「PM2.5の捕集効率(何㎛の大きさを何%捕集出来るか)」を確認しましょう!
ちなみにその効率の測定方法にも注意が必要で、こういったフィルターの花粉や大気粉塵などの捕集効率を測定する場合は、「計数法」と「重量法」があります。
「重量法」は質量で計測しますので、重たい・大きい粒子をたくさん捕集出来れば性能は良い方向へ向かいますが、「計数法」は、フィルターで止めたまたはフィルターを通った粒子数で計測しますので、正しい性能が測定できる訳です。
ちゃんと調べたら「重量法」での性能は90%ありますが・・・みたいなことにならないよう注意しましょう!
PM2.5対策を求めるなら、対策方法を明確にして頂き、その対策方法は「計数法」で性能を証明できるかどうか必ずご確認下さい!
次のページでは、この「計数法」と「質量法」に関する詳細を記事しておりますので、是非、ご覧下さい!
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